「こんな夜更けにバナナかよ」(渡辺一史 北海道新聞社)

 知人に補助犬ユーザーがおりまして。
 「盲導犬ク○ールの一生」が激売れしている時に「どっかの訓練士はあんまり評判良くない」とか「どこそこの協会は内部抗争がどうのこうのでもめている」とか、感動とはかけ離れたネタをよく提供してくれました。「ドラマ化も映画化もするらしいよ」と言うと「ふ〜ん」と言ってニヤっと笑います。補助犬と一緒に歩いてるだけで感動されることがあるらしく「もうね、感動とかね、いらんよ。理解してくれればそれでいい」と言っていました(「チルドレン」の永瀬のようにお金を渡されたことはさすがにないらしいが)。またユーザー同士のもめごともあったりするそうで、まあそれぞれ考え方も違うんだからそれも当たり前っちゃ当たり前のことなのだと改めて思わされます。
 健常者に無礼者がいたりいい人がいたりするのとおんなじで、障害者にだっていろんな人がいて当たり前なわけで、まして24時間常に誰かがそばにいなければならない鹿野さんが聖人君子然としていられようはずもなく。そんな当たり前のことを改めて受け止め、読み終える。正直、自分にはこのボランティアは出来そうにないとは思うけど。
 で、日本テレビ「愛は地球を救う」の罪深さ(障害者像をある一定の枠内に押し込め続けていること。チャレンジばっかや)を深く思う。「功」の部分もある(あった)とは分かってるけどさ。