10代は若い

 正月番組のためオタの方と対談をしたらしい衣良さんです。その方のHPによると、その方も衣良さんにからめとられたごようす。いやあ、うまいわ。
 ついでに昨日再放送していた「真剣10代しゃべり場」を見たら衣良さんが出ていた。まあ知ってて録画したんですけれども(これじゃファンじゃん。観察物件ですから)。テーマが「ネットの中にも現実はある」で、私が見る限りその子は間違ったことを言っているわけではないのだが(ネットの中だけが現実、とは言っていない)、やたらとメンバーが「架空やんか」とか「生身が大事。絶対生身」とか言っていて、若いわりに頭の固い子がそろっているといった印象を受けた。純粋だなあ。友達から相談を受けたら責任を持って答える、相手を全部引き受けられる、相手に責任を負うと言ってる子なんかがいて、やっぱり10代の子ちゅうのは若いのであるなあと実感。そんな、いくら友達でも相手の全部を引き受けることなんてムリだよ。どんなに濃いい関係を生身で築こうが、相手の全てを引き受けるって大変なことぞ。そんなこと簡単に言えちゃうこと自体が傲慢だ。
 衣良さんは新しいものも吸収するオトナだけあって、ネットにもいい面悪い面あるじゃないかな、ということを言ってみたり、架空架空言う子たちをかるくたしなめてみたり、全くもっていい大人していた。正直私も「あら衣良さんいいこと言うわね」と思ってしまった。しまった、衣良ワールドにとりこまれている。
 ところが、衣良さんにとりこまれない女の子がいた。「どんなに近い親しい人にも言えないことってあるでしょ」と問われ、ただ1人「そんなことはない。私に秘密はない。決め付けないで欲しい」と言い切った。「人に対して責任をとるというのは言うほど簡単ではない、ぼくには家族がいるけれども、子供にだって責任はとれない」と言った衣良さんを「じゃあどうして子供を作るのか、無責任ではないか」と問い詰めた子でもある。時間がないせいか、衣良さんはちょっと笑って流してしまったのであるが、いいたいことは分かる。親というのは子供に対してある意味の責任は取るし取れるものなのだ。でも子供は親とは違う人格をもった別の人間であるので、最終的な決定権というかまあ「自分に対する責任」というのは結局自分しかとれないものなのであるよ、ってことが言いたかったんじゃないかなあと。…しまった、その頑固な子のことを考えようとしたのに衣良さんの発言意図を考えてしまった!
 番組の最後にテーマを出した子に一言、と言われてなんか言っていた衣良さんだったが、ホントのところはあの頑固な秘密のない子についての方が一言言いたかったんじゃないかなあ、と思ったのである。