そして、消えてゆく(ネタバレあり)
「消失」(ナイロン100℃)を観に行く。
相変わらず長いよケラさん、の2時間45分(休憩なし)。始まる前に「2時間45分休憩なし。頑張りましょう」と言われては頑張らざるを得まい。ロビーでもスタッフは「観劇前のトイレのススメ」をさかんにアナウンスしてました。もうナイロンは長いのがデフォルトで、それを忘れて観に行くと「しまった!そうだった!」と愕然とするのであるが、最近長いのばっかり見てたからそんなにびっくりはしないですんだ。芝居を見慣れない連れが一緒だったので、連れはちょっと腰がしんどそうだったけども。
スクリーンに出る状況説明の活字が消えていくのが消失感アリアリでよかった。
八嶋さんが異質な感じでよかった。いい意味での「場違い」加減。はきはきしてるのにアヤしげってのに脱帽。
犬山さんのとある一言に涙腺やられた。
愛する人に忘れられて「あんただれ?」と言われながらもそう返すか。
返すのか。返すんだよ…。
チャズ(大倉孝二)からするとスタンリー(みのすけ)が自分から離れていくのも「消失」。
ジャック(八嶋智人)が任務をふいに取り上げられるのも「消失」。
エミリア(松永玲子)が政府によって「第二の月」に夫を置いてけぼりにされるのも「消失」。
スタンリーに記憶がなくなるのも「消失」。
スワンレイクは自分を愛する人に忘れられることが「消失」。
ドーネンは「やすじろう」が爆撃にやられたことが「消失」。
ということなのかと。
ひとにはなくしたくないものとかありますもんね。