新章スタート!

“春雪”だそうです。「愛の流刑地」です。
暦の上では雛祭りもすぎたころ、東京では雪が降った。詳しくはよく分からぬが春の雪はままあることらしい。
積もりゆく雪を見ては冬香を想う。はっきりといつ来られるかは分からないようだ。3月の初めには来られそうだということだったが、子供の学校のこともあり、20日頃になりそうだという。
菊治はそんなに長く待っていられず、一度こちらから京都へ行くとメールをするが、東京へ行けばいくらでも逢えるのだから自分をいさめて待っていて欲しいと冬香に返信される。冬香に諭され、なにか子供になったような気持ちになる菊治。このごろ冬香は母親の優しさと女の強さを身につけたようだ。
そんな3月初めの土曜日、ご無沙汰しています、お変わりありませんか、と魚住祥子から電話が入る。月曜日に仕事の都合で上京するという。

「少しでもお会いできたら嬉しいのですが」
相変わらず、祥子の声は明るくはきはきしている。

つづく。
祥子さん久々の登場です。つか、誰?という方も多そうですが、冬香を菊治に紹介した女性です。冬香と同じマンションに暮らす、IT関連企業にお勤めのハキハキした女性です(菊治の範囲外?)。さて、どう絡んできますか…それはそうと、菊治すっかり冬香に母親を感じていますが、今後性的関係を続けていくなかで大丈夫ですか。母親みたいなところもあれば淫らな…とかいうんでしょうか。母的要素と性的要素は両立するのはかなり難易度高いように思いますが、それはまた菊治の都合の悪いことはとりあえず忘れるというテクにより成立してしまうのでしょうか。ギャップがたまらん、とか?