ようやくエロ以外

友達は大事にしろよ菊治。「愛の流刑地」です。
これまでは次に逢える日を指折り数えたが、今はあと二つ寝ると逢えるのだ。ラッキー、とうきうき待っている約束の前日の夕方、冬香からメールがくる。子供のうちの1人が風邪気味で今日から休んでいるという。明日には快く(原文ママ)なると思うが、明日また連絡するとのことだ。

読んで、菊治は溜息をつく。

小さい子供がいるということはこういうことかと現実を突きつけられ、気が萎える菊治。外を見ると風も出てきて桜が散りつつある。
その夜は中瀬(出版社時代の同僚。現在同社の役員)と会う約束をしていた。銀座に魚のうまい店があるという。魚を前にしても明日のことが気にかかる菊治。

「うまく、子供の熱が下がってくれるだろうか」
思わずつぶやきかけると、中瀬が「なに?」ときいてくる。

つづく。
やらな癖のついている中瀬との再会です。また菊治が自慢して、それを羨ましがる中瀬という構図がすぐ浮かびます。日本海の魚→日本海といえば富山→富山といえば冬香…ああ冬香…って感じですかね。