ちゃんとしゃべれ人妻

 「愛の流刑地」とうとう部屋に人妻を入れちゃいましたよ、奥さん!
 またこの人妻が本当にはっきりしない女性です。部屋の前でも態度を保留です。黙って主人公の後ろで部屋のドアが開けられるのを眺めてるばかり。19日連載分の中でしゃべったのは二言。「いつもこの部屋に泊まるんですか?」と「いえ別に…」(二言目はうろ覚え)。その上、部屋にお入りなさい、と背中を押されるとちょっと体を硬くしたり、ドアを閉められると主人公に「いくらファンとは言っても男性の部屋で二人きりになるのは緊張するものなのだな」と想像される態度をしてみたり。
 このオープンハート人妻はどうしたいのかが全然分からない。ニホンジンハオモッテルコトヲハッキリイワナイミンゾクネ!とかいうレベルじゃないです。
「ふっ、人妻は困惑しているのだ。最近の女性と違って奥ゆかしい女性なのだ。このこんなにも困惑している女性が、だんだん自分の欲望に忠実になっていくその姿こそ、私の書きたい男女の愛なのだー!何が純愛ブームだ!ヨン様だあ?あんなものはなあ、私に言わせれば愛などではなーい!肉体関係のない愛なんて純愛などではない!肉体関係があってこそ本当の愛なのだよ!!」
なーんて思っていそうです、淳ちゃんは。*1

*1:渡辺淳一センセイは「婦人公論」にて連載をお持ちで、女性2人とのかけあい漫才をやっています。柳美里が表紙だった何ヶ月か前の誌面にて、純愛ブームを斬っておりました。肉体関係があってこその純愛である、など素晴らしいお言葉の数々を拝むことが出来ます。