男友達がいたのか

 メリークリスマス!今宵は菊治とともに(断固拒否)。「愛の流刑地」です。
 昨日の祝日と今日の分をまとめて。

 冬香と夫とは関係があるのだろうか。2人の夜の姿を想像(妄想)し始める菊治です。

 マンションに住んでいるようだから、2人はやはり1つの部屋で休むのだろうか。それもあまり広くはないだろうから、ベッドを2つ置くことは難しい。
 となると、ダブルベッドを1つ置き、そこで2人が寄り添う形で休むのか。
 (中略)
 できることなら、別々のベッドで休んで欲しい。さらにいえば、冬香だけ別の部屋で末の子供とでも一緒に寝て欲しい。

 どうしましょうか、このおやじ。もう菊治の妄想は止まりません。夫は仕事にかまけていて冷たく、冬香はほおっておかれている。だからもうほとんど関係は途絶えているが、時折夫はソノ気になってしまう。冬香は断れるだろうか。控えめな冬香は「今日はよしてください」と言えるのか。いや、たとえ言ったとしても夫は無理くり服を脱がせて強引に…に違いない、と決め付ける菊治です。自分との“関係”も冬香は断りきれなかったのではないか?という点については全く考えが至らない様子です。勝手に想像して身もだえ、酒に逃げます。

 この切なさは、人妻を愛した男にしかわからない。

 またも不倫OL的発言です。小説家の発言とも思えません。体験したことのない人に分からせるように書くのが仕事だろ。こんな恋愛小説家の書く小説読む気にならないです。

 さて、そんな身悶えている菊治にも友人がいました。菊治が昔勤めていた出版社の同僚・中瀬です。菊治にも男友達がいたんですね。自分が売れているときは羽振りが良かった菊治ですが、今では出世した中瀬に社会的地位も収入も及びません。週刊誌のアンカーマンという仕事も中瀬に紹介してもらったくらいです。久しぶりに中瀬に会いますが、その食事の支払いも中瀬もちです。菊治の「ひさしぶり」という挨拶に、何かいいことでもあったのか、と訊ねる中瀬。冬香(36歳人妻)とのことを菊治は告白します。中瀬からは今さら人妻と付き合うこともないじゃないか、若い独身のいい女はいくらでもいるではないか、と言いますが、菊治は「いい年をして恥ずかしいが好きなんだ」などと初交渉で中だしした人間とは思えないような純情なことを言っています。いつの間に?愛情たっぷりです。
 そんな好きがあふれている菊治に中瀬は「いい小説が書けるかもしれないな」と励まします。ところが菊治は「恋をしたら書けるかも、と言った気はするけど自信ねーなー」と思うのでありました。
 つづく。
 えー、菊治の妄想が暴走しています。こんなことをぽちぽちとイブの夜に書いている自分にイヤになりました。