変則的ですみません

愛の流刑地」です。
いつから眠ったのか記憶がないが、冬香に母親のような優しさを感じつつ、後ろから寄り添って眠った。
追われるような見張られているような、何か不安な夢を見た。
菊治は6時には目覚めてしまったが、それは夢のせいというよりも9時には冬香が出て行くという焦りがあったからであろう。

その前に、もう一度抱きたい。

菊治はそう思い、冬香が隣りで眠っていることに安堵し、じっくりと観察する。口も鼻の穴も、片側だけ見える耳も、すべてが小づくりで愛らしい。

こんな可愛い女が、夫を拒否したとは思えない。いや、可愛いのに拒否したから、夫はさらに怒り狂ったのか。
ともかく一人の女のなかには、天女のような優しさと、魔女のような恐さの、二つが秘められている。

いきなり起こすのは可哀相、という言い訳をしながら、菊治は例のごとく躰の内側から目覚めるを得ないようにして起こすのである。脇腹から腰へ手を這わせ、ティクビ周りを唇で攻める。それでも冬香は目覚めない。菊治としてはそのまま目は覚まさず、妖しい感覚だけが冬香の全身をゆきわたるようにしたいと思い、秘所をいじったりティクビを舐めたり。忙しい菊治。

覚めぬのなら覚めなくてもかまわない。ただ眠っているうちに、なにか淫らな感覚に襲われた、そんな妖しさだけを感じてくれればいい。
荒々しさよりも優しさのほうが、優しさよりも淫らさのほうが、女の躰にはたしかな記憶となって残っていく。

つづく。
ようは、「あン…」「もぅ…」「やン」とか言われながら起きて欲しいと。可愛い女性はセックス拒否しないんですって!奥さん!こんな可愛い女が…拒否ぐらいするっちゅうねん。なにか?可愛い女性はいつも恥ずかしげにうつむきながら「はい…」とか言ってそろそろと服を脱ぐもしくは脱がされるのがデフォルトかぁ!