ぽろり

会話ベタなのばればれ。「愛の流刑地」です。
たしか、祥子と冬香は同じマンションに住んでいるはず。彼女に聞けば冬香の家庭での様子がわかるかもしれない。
「冬香さんに子供はいるの?」「ええ3人」
「それじゃ転勤は大変だね」「でも彼女喜んでましたよ、一度東京で暮らしたかったんですって」

それは自分に逢えるためか、と菊治は思うが、そんなことは口が裂けてもいえない。

ぽろっと言っちゃいそうですけど。
さて。菊治の質問は続きます。
「彼女のご主人に会ったことは?」「もちろん。食事をしたこともあるわ」
「家族同士で?」「そうよ、私たち夫婦と子供と一緒にね。なかなかハンサムで優しい人よ
「…」

はっきりいって、冬香から聞いていた夫のイメージとはいささか違うが、それは冬香のいいかたが間違っているのか。それとも祥子がことさらに大袈裟に言っているのか。

どう考えても後者だと思いたい様子がありありの菊治。ついでにもっと聞きたいのに黙り込んでしまいます。性的に下に見ていた相手をハンサムとか言われて気分を害しているご様子。黙っている菊治に祥子が聞いてきます。
冬香の夫のことが気になるのか、もしや冬香さんを好きなのでは?!と。さらに祥子は時々冬香と菊治の話をすると冬香の目が輝いているのだという。加えて、このごろの冬香は綺麗になっていて、肌が艶々している、化粧品を変えたのかと聞くと、ただ笑っているそうだ。
菊治は冬香が好きだなんてことはない、と否定するのですが、祥子は怪しんでいる。
「危ないなあ、東京に出てきたら簡単に逢えるでしょ」
焦る菊治。

いったい、祥子は何をいいにきたのか、その本心が菊治にはわかりかねる。

つづく。
うかつな菊治。さらに冬香は肌が艶々ですって。ananの特集ですか!