花びら回転

早く行かないと桜散るよ。「愛の流刑地」です。
(9日)
ピロートーク続き。ベッドの上で冬香の肌をなぜなぜする菊治。冬香のきめ細かく白い肌に感動。肌が合うという言葉があるが、菊治は冬香ととても肌が合うという気持ちだ。
「君のお母さんもこんな肌をしているの?」
「さあ…」
ベッドでいちゃいちゃしていると、菊治は冬香のナマチチに接吻する。

「キスマークをつけてもいいかい?」
「いえ、だめです」

菊治の申し入れに冬香は断るが、さらに冬香は言う。

「どうしてもつけたいのですか」
「…」

菊治がなんと答えてよいのか迷っていると、

「じゃあ、つけてください」

いいのかよ!
(10日)
いいと言われてやる気の失せる菊治。いやがるからやりたかったのに。
本当にいいのだろうか、キスマークをつけたまま、本当に自宅に帰るつもりなのか。
菊治が戸惑っていると、冬香が呟く。

「わたし、あなたとのあとを、全部、残していきたいの」
「あとって?」
「別れて、一人になってから、ゆっくりと、ひとつずつ思い返すのです。あのとき、ああされて、それからこうされてって、全部、体の中で覚えていて…」

ひー!読者(私)ガクブル。菊治は「反芻するとはこのことか…」などと考えている。思い出すうち体が熱くなってくる、体が騒ぎ出す、という冬香に菊治ウハウハ。ほほう、冬香のあそこも愛の記憶を思い出して蠢きだすのか、うひょ。

菊治はそっと、冬香の花蕊に触れてみる。ここにも、つい先程、昇り詰めた快楽のすべてが納め込まれているのか。
「じゃあ、まだ熱い?」
「はい」と、冬香は素直にうなずく。

女は底知れないな、と思いながら抱き寄せると、冬香は菊治の股間に触れてくる。今までは菊治の誘いにより触れていたのだが、自ら手を伸ばして握ってくるとは。

その感触も、たしかに掌の中に残しておこう、というわけか。

つづく。
冬香は思い出作りが好きなんですね。ちょっと前の女子高生みたいです。デートするにしても、友達とプリクラ撮るにしても、「後で見返したら思い出になるから」と思い出作り前提で行動する子がいる、という話、昔見たことがあります。
残していきたいわりにキスマークを一度拒んだのはなぜでしょう。
冬香は天然なのでよくわかりません。