後ろから前からどうぞ

何をやってるんだか…「愛の流刑地」です。
週末の一日は他の日よりも1時間だけ長い逢瀬である。
2人の逢瀬はどんどんなか味が濃くなってゆく。
今までは逢えばむさぼって、終わるとあっという間に冬香が帰ってゆき、ゆっくり話をすることもできなかったが、この1時間長い逢瀬では、一度ならず二度三度と結ばれることもできるし、終わった後に話しをする時間もある。
2人の関係はどんどん淫らに濃厚になっている。
前戯はもちろんのこと、体位も後ろから前から横から自由自在、一応菊治が主導権を握っているが、冬香はすぐに自分に合わせてくる。最近の冬かはすぐに感じ始め、ちょいと激しくゆするだけで昇り詰めてしまう。まるで弾薬が大量に詰め込まれた火薬庫のようだ。

まことに、感じ易い女ほど愛しく淫らなものはなく、それに乗じて、ときに菊治が立ったまま求めたり、明るい部屋で椅子を向かい合わせたまま求めても、「いや、いや…」と首を振りながら、最後は狂ったようにゆき果てる。

悦楽を求めるに貪欲な女体に怖れを感じる菊治である。
つづく。
あのう…「椅子を向かい合わせたまま求める」ってどんな体位なんでしょう。小松先生の挿絵では、裸にシャツだけ着た冬香らしき女性が椅子に座ってるようすしかわからないのです…最初は椅子の上で座って騎乗位なのかと思ったんですけど、「椅子を向かい合わせ」とあるので椅子を2脚用意するわけですよね。椅子をベッドに見立ててってこと?
まあ、じいちゃんの自慢話なので「へーそうなんだー、すごいねー」と言ってあげるのが優しさかもしれません。