ビビリのちラリホー

分かり安っ!「愛の流刑地」です。

それから四日間、菊治はひたすら、花火の夜に冬香が無事、家から出てくることを願っていた。そのころ、菊治のほうは合併号がでて暇なときだが…

ん?週刊誌のお盆進行の合併号って、8月の2週目くらいに出ませんか?花火大会は1日ですよね?つーことは、今どえらく忙しい時期違うか?菊治、もうクビになったのか?
冬香はちゃんと出てこれるだろうか。子供は実家に帰すとして、夫はどうするのだ?詮索されたら、他の男に会いに行くと分かったらどうしよう…毎日祈る菊治。
当日はビビリ気味に「大丈夫ですか?」とメールを送ると冬香からは7時までには来るというメールが届く。
とたんに菊治は真夏の夜の夢が現実に!とラリホー気分で浮かれ始める。今日はー冬香が浴衣だからー、俺も浴衣着ちゃうぞー、とばかりに母が元気だった頃に買ったが10年以上着ていない浴衣を取り出す。着用してみて準備完了。外苑は人出が多いようだから、このマンションの屋上の方がよく見えるのでは?と思い立ち、管理人にも電話で確認。他の住人からも要望があって、屋上は開放されるのだという。開放…ということは他人も屋上に集うということで、自分たち2人が他人からどのように見られるのかと思う菊治。少し年配の夫と年の離れた若い妻だろうか、それともまんま不倫カップルだろうか。ま、どう見られてもかまやしないんだけど、とラリホー気分の菊治に怖いものはない。

ともかく、これで冬香がいつ現れても出かけることができる。

…でかけるゆうても、屋上やろ。それともちゃんと出かける気も一応あるんでしょうか。そんなこんなで準備が整い、満足げに部屋を見廻してうなずくと入り口のチャイムが鳴る。少し早いが約束どおり冬香が現れたようである。
つづく。
やっぱり冬香は「現れる」。幽霊ですか。
それにしても淳ちゃんの日付感覚はもうめちゃくちゃですね。単行本化の暁には(できればそれやめてほしいですけど)、かなりの加筆修正が必要かと。