ヤマ場はどこだ

しりつをしなければ(つげ義春*1。「愛の流刑地」です。
冬香は喜んで死んだのだ。悦びの頂点に達したまま死ねたのだから。そう思うと菊治は少し楽になる。
すでに7時半をまわったところである。窓の外はサラリーマンたちが駅に向かっている。そこに向かって「おーい、ここに美しい女性が死んでいて、殺したのはこの俺だよ」と叫びたくなる。そうすれば誰かに通報されるだろうし、やがて警官が現れ、自分は連行されるだろう。そその覚悟はできているのだが、どう連絡しようかというのはいまだ考え中だ。
その前に、冬香の手荷物を整理しなければ。かばんには携帯電話や手帳、ポケットティッシュなどが入っている。手帳は2人の逢瀬予定などを書き込んでいたようだが、今ではもう無駄なものである。携帯電話を見ると愛のメールを何度もやりとりしたことが思い出される。携帯を開くと、待ち受け画面には三人の小学生くらいの子供たちが寄り添って笑顔で映っていた。冬香の子供たちだろうか・・・
つづく。
「おーいなかむらくーん」ばりの「おーい…俺だよ」はのんきにもほどがある。気が楽になりすぎと違うか。
で、いい加減腐敗のことも考慮に入れまいか?あと、パンツも・・・な?

*1:中途半端ですみません。