まさかこの年末もこんなことをしているとは

取材を受けた元検事の女性は怒るべきだ。怒るといい。「愛の流刑地」です。
(28日)

中瀬の証言は、多くの人を納得させたようである。被告人がいい加減な男でなく、性格も穏やかで誠実で、一途に一人の女性を愛し、再起を期して懸命に小説を書いたことだけはわかってくれたようである。

えー。
中瀬の証言のどこにそんな信憑性がっ!!!???
証拠も何もなく、ただ「誠実でー穏やかでー」って言っただけじゃん?

問題はなぜあのような事件を起したか、ということだが、それも彼女を愛するばかりに、彼女の望みをかなえてやりたくて、つい行き過ぎただけで、そこに狡さや打算がなかったことも、理解したようである。

えー。
誰が?誰が理解したのーー?傍聴人?
弁護士からの証人尋問は終わり、いよいよ織部検事による尋問である。ちなみに今日の美雪ちゃんのファッションはグレーのスーツにパンツ姿、相変わらず胸元にはネックレスがゆれているそうですよ。…あー、いらねえ情報だなあ。
さて、美雪ちゃんの尋問事項はコチラ!→「(キョムネツを手に)この作品の優れた点はどこですか?」
バカか。
法廷でそんなことを聞かれるとは思わなかったであろう中瀬、少し間をおいて答える。

  • ベストセラーである→多くの人が感動した。
  • 文学的には、愛とエロスについて深く根源的に問い詰めている。
  • 2人のエロが深まっていく過程も見事。
  • 最もいいところは二人が深まれば深まるほど乖離していくさま。
  • 女は熱情へ、男は虚無へ、と分かれていくのは宿命的なもの。精神と肉体の両面から強い説得力を持って迫ってくる。
  • 上記の認識の違いは今までの文学ではしっかり書かれていない。

瞬間、検事が遮っていう。
「要するに、男性は虚無で醒めていたのですね」

つづく。
美雪ちゃんの尋問事項にひっくり返りました。「この作品の優れた点は?」
おいおい、中瀬がさも見てきたかのように冬香が死にたいと望んだと言ってるんだから「証人は直接被害者から『死にたい』と言っているのを聞いたんですか?」って聞くだろ、本物の検事ならさあ。
もうどんなにバカな職業人が出てきても驚かないけどさ、いくらなんでもそんな尋問を用意してるとは思わなかったよ…その上とうとうと中瀬にしゃべらせた挙句遮って出てくる言葉が「男性は虚無で醒めていたのですね」って、菊治に「さあ、どんどん突っ込んで!」(きゃ!)といわんばかり。
そんなわけで今年のキョムネツ…いや愛の流刑地の更新は今日で終わりです。元旦に淳ちゃんからいらないお年玉を寄越されないよう祈るばかりですが、たぶん張り切って書きまくり、編集者に渡し済みと思われますので、淳ちゃんひとりご満悦なお年玉が載ってるやもしれません。ご家庭の新聞が日経新聞の方々はくれぐれもお気をつけあそばせ。
それではよいお年を。