推敲をしよう

まとめて編集者に渡すときはとくに気をつけましょう。つか、編集者は何をしとるのか。「愛の流刑地」です。
(27日)
中瀬証人の尋問は続く。
菊治のことを一途で懸命なタイプでその集中力がいい小説を書く原動力になっているとか答える中瀬。自分ではよくわからないがと思いながらも、自分を褒める言葉には敏感な菊治。
2人の関係について聞かれた中瀬。話の端々でしか聞いてないがと前置きしながら答える。

「彼女のことを話すときの、彼の顔が、照れながら、とても嬉しそうで、これは余程好きなのだと、わかりました」

まるで、中学生や、高校生の、ときのような、純粋キャラとして、菊治を描写している、中瀬。さらに、北岡弁護士は、事件について、感想を、きく。

「彼は身勝手で、狡く立回るといったことは、まったくない男です。彼女に対してはひたすら好きで、彼女が望むことならなんでもかなえてやりたかった。それだけの気持で思わず誘われるままに、こんな事件をおこしてしまったのだと思います。要するに、悪意も打算もない、無意識下の行為だと思います」

とーるちゃんの有能社会人ぶりに対抗してか、菊治の才能についても尋ねる北岡。「とにかく素晴しい才能の持主です」20年のブランクを経て復活するところなんてサイコー!才能とスタミナと圧倒的集中力があるからよ!と答える中瀬。
そんな答えをうなずいて聞く北岡弁護士。おもむろにキョムネツを取り出してさらに尋ねる。この作品どうよ?

「傑作です。男と女の愛について、精神と肉体の両面からこれほど深く掘り下げたものはありません。ここまで書き込むには、余程深く愛し合った女性がいなければできません」

…中瀬、大した編集者じゃねえだろ?な?いい作家はな、そんな女性が実際にいなくても掘り下げて書けるんだよ。な?それが創造力とか想像力とか妄想力ってもんだろ?

「それが被害者というわけですね」
「そのとおりです。本の巻頭にFと記されていますが、そのFはまさに被害者で、彼女がいたから書けた。これは被害者と共通の著書、といってもいいと思います」

つづく。
…「共通の著書」?
きょうつう[共通]〈名・ダ・スル〉 ふたつ以上のどれにもあてはまること.
ちょしょ[著書]書きあらわした書物.
三省堂 Web Dictionary デイリーコンサイス国語辞典より)
…淳ちゃんもしかして、「被害者との共著」って書きたかったのかしら?
きょうちょ[共著]共同の著作.(三省堂 Web Dictionary デイリーコンサイス国語辞典より)
まあ共通の著書でもいいけどさ…どうせどうでもいいから…