後出しジャンケンしほうだい!

そんなポジティブ冬香みたことねえよ。「愛の流刑地」です。
(21日)
勢いで控訴しない、と言ってしまったが、それでよかったのだろうか。迷う菊治だが、法律なんて信じられない、のだ。

いまの法律はやたら理屈ばかり優先させ、変な証拠主義で、それがもっとも秀でて近代的だと思いこんでいる。
だが、そんなことで、情緒豊かな人間を裁くことなど、できるわけがない。
そういえば冬香も以前、民事だけど、法律はおかしい、といっていた。

夫がセックスを求めてくるだけで身の毛がよだつほどイヤだと言っていた冬香。一度市の法律相談所へ行って相談したら、夫の暴力か浮気の証拠でもないと夫が納得しないかぎりは対等に別れるのは難しい、と言われたそうだ。
人間のもっとも正直な感覚の違和感を認めない法律を法律と呼べるのか。
冬香が殺してと叫んだ理由の一つはそこにある。
情念や感性を全く無視して男の論理で成り立っているのだ、法律というやつは。
布団の中で冬香に話しかける菊治。八年だよ…と、冬香が闇から浮かび上がる。雪のように全身が白い。「八年間なんて、非道いだろう」と訴えると、ひっそり冬香がうなずいたようだ。
冬香は分かってくれるよね、と冬香の手をまさぐる。
つづく。
「別れたーい」「帰りたくなーい」とセックスの後に愚痴るだけだった冬香が、現実の離婚に向けて法律相談に出向いていたとはいやはや初めて知りました。相談に行ったのがいつの時点か知りませんが、薬を盛られてヤられちゃいました事件の後だとしたら、それこそ「夫からの性暴力」ってことで立派な離婚理由になりますけど…意外と今の法律は離婚については女性の方が有利になりやすいようにできているので(親権は母親に、というのが多いし、養育費の取り立ても以前よりやりやすくなってます。但し、夫に財力がない場合はとれるものもとれずとりあえず離婚だけしかできなかった、ということももちろんあります。入江家の場合は、夫は製薬会社で毎月かなりの給料が出てるでしょうから、ちゃんとした弁護士を雇えばかなりいい条件で離婚できるのでは?以上、素人の私見)、夫に非があることを証明できれば何とかなると思いますが…
「セックスするのがイヤだから別れたい」を正当な離婚理由に認めたら、それこそ「男の論理」が幅を利かせることになりそうですけど、それは淳ちゃん菊治にとっては願ったり叶ったりだったりしてな。