純粋に愛だからだって

風呂に入ってないくらいなによ!私は平気よ!だって愛してるもの!(冬香)「愛の流刑地」です。
目が覚めると朝の7時だった。眠るのにも体力が必要だと感じつつトイレへ立ち、ベッドでうつらうつらしていると9時になってしまった。
もうすぐ冬香がやってくるので浴衣を着直し、水を飲む。外を眺めると晴れている。
晴れていながら小雪が舞っている。風花か…見とれていると冬香が部屋へやってきた。
「ちょっと、見ないか」
冬香の手を取って窓辺へといざなう。

「風花が舞っている」
「晴れてるのに、降っている。これを風花といって、俳句などでもつかう」
「どうして、降るのですか?」
「わからない、でも、寒い冬の日にときどき見かける」

風花を見て冬香を思い出したと話す菊治。

「よく言えないけど、君のような気がして…」
そこで菊治はいきなり冬香を抱き寄せ、風花の舞う窓の前で、接吻をする。

つづく。
今までは冬香がドアを開けると即抱き寄せて接吻→ベッドへなだれ込みだったのが、窓の前まで連れて行く余裕ができました。で、会話をするかと思うと、風花説明です。基本的に窓の外を解説する、というスタンスは変わっていません。それが菊治のいう会話です。会話とは、男が女に教え諭すもの。もしくは男がいろいろ女の素性を聞いてそれに女が答えるもの。これがキャッチボール。それが話すというものです。…あ、淳ちゃん的にはね。
風呂にも入らず寝乱れた浴衣姿のまま冬香を迎えたころに比べれば、たった1月やそこらで浴衣を着直したり風呂に入ったり、菊治は格段に変化しています。恋による成長というよりは、とってつけたようなつじつまあわせに見えるのは、私が不倫という純愛(by淳ちゃん 先週の週刊新潮より*1)を経験していない汚れた打算的な大人だからでしょう。あー、純愛してみたーい(超棒読みでお願いします)。

*1:不倫には、結婚条件に合う・合わないという計算がなく、純粋に相手を好きだという気持ちから発しているため、淳ちゃんとしては最も純粋な愛=不倫と位置付けている。