くんずほぐれつ

もうひひんとは言わせない。「愛の流刑地」です。

一度抱き合ったら、ベッドへ行くのは、二人がたどる必然のコースである。

正月に逢っているにもかかわらず、もう1ヶ月以上お預けをくらった気分の菊治。それは自分だけでなく、「逢いたかった」と訴える菊治に「わたしもです」と答える冬香も同様のようだ。
今回は上へ下への大騒ぎ。菊治上冬香下状態で一度イク冬香。そして冬香上状態でもイク。冬香大変です。その様子を見た菊治は

「すごおい…」

と心の中でギャルっぽく呟きます。冬香は断続的にイキまくりのご様子。よかったですね。冬香の快楽の深さに感心する菊治。今度は声に出して「すごい…」と呟きます。そしてさらに「よかった?」それに対して冬香は「もう何度も聞くなつってんじゃん」なんてお下品なことはおっしゃらず、聞かないで、と言うように菊治の胸元にすがりつきます。

自分でも、感じて燃え易い。そんな体になったことに戸惑っているのか。
「素敵…」(たぶん冬香の言葉)

そして臀部をなぜる菊治。

よく感じて、いってくれた。そんな冬香の体を愛しみ、褒めてやりたい。
とやかくいっても、男は、女が感じれば感じるほど、愛しく、離し難くなってくる。

その愛しさに浸っていればいいものを、菊治はふと気になってしまいます。冬香の夫もこんなに乱れ打ちな冬香を知っているのだろうかと。そして気になると聞かずにおれない菊治、聞いてしまいます。

「あのう、家で、彼ともこんなふうに…」

どうして尋ねる時はこんなにも低姿勢なのでしょう。ともあれ、コレに対する冬香の答えはこれです。

「わたし、好きではないのです」

つづく。
夫のことが好きでないのか、性交が好きでないのか。単なる野次馬(ひひん)としてはどっちでもいいですけど、きっと菊治にとってもどっちでもいいでしょうね。だってどっちに転んでもオレ様の何かが好き(彼自身なのか、テクなのか)ってことですからね。