ここはどこですか?

ここは京都です(忘れてました)。「愛の流刑地」です。
(19日)

そんなことは、あってほしくない。冬香が避けたがっているのに、強引に求めて犯すなど、そんな理不尽なことは許せない。

叫びだしそうな菊治。うをおおおおお!(吉田栄作風に)息を吸い、心を静めようとする。こんなことなら、聞くんじゃなかった。そう思いながらも聞くのをとめることはできない。
夫の年は?「42です…」
ムリにと言われたらどうするの?「黙っていれば終わるので…」
それで(彼は)満足…?「何度か叱られました…」
そんな冬香が一層憐れになる菊治。冬香の話では、夫はもう冬香のことを諦めている、ということらしい。
(20日)
夫が諦めているということは、もう冬香をセックスの対象として認めていないということだろうか。嫌がっても求めていたのだから、いつまた求められないとも限らない。自分とはこんなに燃える冬香が夫とは全然なのはなぜだろう。子供も3人いるというのに、喜び満たされないのはなぜだろう。
菊治は再び聞いてしまう。
彼のどこが嫌いなの?「なにか、1人よがりで、痛いのです」
痛い?「少し乱暴というか、自分だけよければいいみたいで…」
そんな一人よがりのセックスをする男はいるものだ。俺(菊治)は昔年上のおなごに諭されて改めたけどな!
それは初めから?「はい…」
そんなものに今まで耐えてきたのかと思うと冬香が愛しくなり、髪をそっとなぜる菊治。
それに対して君から何か言ったりしないの?「そんなことは言えないし、わからない…」

たしかにセックスについて妻から夫にいろいろ注文するのは難しいかもしれない。

「あのう、俺とは?」
「初めてでした」
そこで冬香は菊治の胸元に囁くように言う。
「こんなにいいのだと、知りませんでした」

(21日)
冬香の話を聞き、自分に自信を取り戻す菊治。冬香が愛しい。夫との苦痛なだけだったセックスを菊治とのセックスによりいいものだと認識できたという冬香なのだ。
動物の雄がマーキングをするように、男は女に自分のしるしをつけたがるものだ。それが性の喜びであるとなると、こんなに嬉しいことはない。このマーキングは深くしっかりと刻み込まれたものだ。もう誰にも獲られたりはしないだろう。
そう思うと冬香につけたマーキングの痕を確かめたくなってくる。秘所に手をやると泉が湧いたままである。冬香も手を払いのけたりしない。冬香は菊治のマーキングを望んでいるようだ。
(つづく)
今日の分はかなりうろ覚えです。「マーキング」「痕」「夫よりも俺のほうが」「うかれる菊治」このキーワードでつなげてみました。
さて。菊治は冬香の夫を稚拙なセックス野郎と決めて自分の優位性に安心しきってますが、冬香の夫がセックスが稚拙なら、菊治は会話が稚拙なので50歩100歩です。それに「冬香のことを考えていない」という点においては菊治も冬香の夫も同じなので、そのことを菊治は心するように。冬香が何も言わないのをいいことに、いつもホテルにしけこんでいる菊治に冬香の夫をやいのやいの言う権利はありません。
菊治はいつも京都に逢いに来てやっている風ですけど、冬香だって高槻から京都まで出てきているわけです。自分の都合でヤリたがるのは菊治も冬香の夫と同じ。目くそ鼻くそです。相手を想ってイカせてあげるとか何とか言ってますけど、所詮冬香が自主的な腰運動を始めた途端「ひひん」の牝馬とか言う男ですから。ろくなもんじゃありませんや。