お風呂も入るし物も贈る

俺だってやるときゃやるよ!(菊治)「愛の流刑地」です。
さて。一戦交えて冬香がバスルームへ。出てくる冬香と入れ替わりにシャワーを浴びる菊治。着替えてバスルームから出てくると、冬香はベッドを整えカーテンを開けている。

「風花はどうなった?」
「見えませんけど…」

寒い日に舞う風花はもう消えてしまったようだ。

「俺たちが、燃えたから…」

うわ、おやじくさ!
菊治は用意していたプレゼントを冬香に渡す。冬香が開けてみると中身はペンダント(菊治はネックレスと言っている)。ヘッド部分には片方だけのハイヒール。

「素敵、可愛いわ」

冬香はネックレスを首からかけて見とれている。

「靴はなにを表すか、知ってる?」
「なにって…」
「ヨーロッパでは、靴は、幸せが音を立ててやってくる、という意味らしい」
「じゃあ、シンデレラね」
「そうかもしれない。素材はホワイトメタルだけど、オーストリア製で、よかったらつけててほしい」

肌の白い冬香の胸元に、ペンダントはよく目立つ。
本当にいただいて、いいのですか、と喜ぶ冬香。

「もちろん、黒いセーターの上でもいいけど、君の首にいつもまとわりついているようにね

さほど高くもないものなのに、喜んでくれる冬香が嬉しい。冬香は「このままつけて帰ろうかな」と言いながらコートを手にとる。
つづく。
相変わらず菊治は会話が稚拙ですね。靴はなにを表すか知ってる?この問いだけでどう話をすればいいというのでしょう。そりゃいつもおとなしい冬香も「何って…(ハァ?意味わかんね)」と答えるってもんです。結局、菊治は冬香と会話を楽しみたいんじゃなくて、自分の知識をひけらかしたいだけ。相手の答えなんて求めてないんです。せっかくのプレゼントも「オーストリア製で…」とか自慢げだし。こういう時は「君に似合うと思って」その一言でいいじゃありませんか。
ここで冬香に「フロイトが言うにはハイヒールは○○の象徴であり、これを贈ろうとする人は○○の傾向にあるのですよ。ちなみに○○では靴というのは不幸の象徴で、それを人に贈るというのはやってはいけない行為のうちの1つに挙げられます」なんて言ってみてもらいたいものです。