おうっ

ベージュのスリップは夫を萎えさせるための秘策。「愛の流刑地」です。
約束の日、冬香は午前10時に菊治の部屋に現われた。冬香がオートロックのマンション入り口から玄関にたどりつくまで、菊治はドアの内側で待ち、チャイムと同時にドアを開けた。
「おうっ…」(原文ママ 菊治のうめき声?「おっ」みたいな声かけ?まさか顔を見ただけで勃ったとか…)
冬香はいつものベージュのコートを着て、胸元には菊治のプレゼントしたペンダントが光っている。
「入って…」と招きいれた途端、菊治は冬香を抱きしめる。

よくきてくれた。いろいろ大変なことがあったろうに、忘れず、また戻ってきてくれた。

そんな気持ちをこめて強く抱きしめ、例のごとく接吻→寝室なだれこみ。
「待っていた…」と囁くと冬香から「わたしもです」という返事。その言葉を聞いただけで、菊治の切なさは吹き飛ぶ。冬香は12時までいられるという。今日は2時間コースだ。さっそくカーテンを閉める。すでに部屋は暖めておいた。菊治はとっとと裸になり、ベッドでスタンバイだ。今日の冬香は白のスリップに戻っている。

今日は白いスリップに戻っているが、菊治は冬香がいつもスカートで、パンツやキャミソールをつけないところが気に入っている。
たとえ若い女性に、古いとかおじんくさいといわれても、男が燃えるのは清楚で、シンプルな下着と、恥じらう姿である。

冬香がはじのほうからベッドに入ってくる。菊治の足元をまたぐ形になると、「ごめんなさい」と言ってしゃがんだまま入ってくる。

慣れても礼儀を崩さない。それを自然にできるところが、さらに菊治の気持ちをかきたてる。

つづく。
下着についてベッドイン直前、心でアツく語る男・菊治(55)。すぐに「男は」と一般化したがるのが困ったクセです。どうでもいいんですけど。そして菊治の萌えポイントその2。「礼儀正しい」。靴をそろえていたり、脱ぎ散らかした菊治の下着をたたみなおしたり。そんなに好きなら礼儀正しいセックスでもなさいまし。「ねぇっ…」なんてなれなれしい。「ああん…」なんてダメダメ。慣れても礼儀を崩してはいけません。「もう少し長く挿入してはいただけませんか」「抜いてしまうなんてあんまりでございます」「早く挿入くださいませ」
ま、礼儀正しいとか何とか言ったところで、菊治主導で「ああん」とか「だめぇ」とか言うのはなれなれしいのではなく、菊治主導のエクスタシーのおかげってことで。はいはいっとな。
礼儀正しい女性が乱れる姿ほど、男を奮い立たせるものはない…んでしょ、菊治さん。