菊治の前戯はスイッチオン。

今日はDVについて学びましょう。「愛の流刑地」です。
菊治の脳裏に浮かぶのは、大手会社のサラリーマンである夫、色白で控えめな妻、そして三人の子供の姿である。外見は理想的な家族のようだが、だからといって性生活が満たされているとは限らない。
愛撫も前戯もない、自分のペースで一方的に果てる男のみが満足の、妻不在のセックス。こんなものはおかしいと思うかもしれないが、かつてはそんなものがまかりとおっていた。今も無知で女性の気持ちを理解しない男がそんなことを平気で繰り返している。

菊治は改めて、冬香の辛さを考える。
そんな状態が続いたら、冬香がセックスを嫌いになり、夫のものに触れたり、愛撫するのが嫌になるのも無理はない。
「それじゃあ、ほとんど快くならなくて…」
菊治の問いに、冬香があっさりとうなずく。
菊治は自分のものを軽く冬香に押しつけて、
「ここも、いわれたとおりにはできなかった」
「はい…」
「それで、彼はあきらめたの?」

冬香の辛さを…と思いつつ、卑しい男・菊治は聞く。冬香の夫は「なぜできないのか」と怒り、ごめんなさい、と冬香が謝ると「つまらない女だ」と言ったそうだ。
冬香の夫は女性にも感情があるのだということを忘れているのじゃないか。菊治は怒りを覚えるが、冬香のほうはさばさばした口調でしつこく言われることがなくなって助かったという。

こんないい女を、つまらない女とは、なんと非道いことをいうのか。いいや、それは、むしろもったいない、というべきである。

つづく。
こういう話をしている時に自分のナニを軽く押しつけてくる菊治も相当イヤですが、冬香はもう菊治のナニにはめろめろなのできにならないのでしょうな。おめでてーや。