失楽園の香り漂う

どこまでも堕ちるがよい。堕ちるからいいとは限らないが。「愛の流刑地」です。
調子に乗ってぐいぐい首を絞めていたら、冬香がけほけほしてきてびびる菊治。手を離したら薄目を開けて「あなたが、絞めたのね」というふうに見つめられる。
ふんふんはげんでいると、つっかえ棒のように冬香の両腕がのびてきて、菊治の首を絞め始める。やべえ。慌てる菊治。冬香の首を絞め付ける。
「ああっ…」と悲鳴を上げて「死ぬう…」で昇り詰める冬香。
ばったり菊治の上に倒れこむ。菊治冬香に接吻。だきついてくる冬香。重ね餅のようにべったり。菊治は武士社会での姦通罪の刑罰、重なった状態でばっさり斬られるというものを思い出す。

もしかして、ここに冬香の夫が乗り込んできたら。

思うだけでぞくっとする。
つづく。
きっと冬香のちょっと大き目のカバンに入ってるよ、冬香夫。でも関節はずれて出られないだけだったりしてな。