幸せすぎて怖いー

20代OLみたいなことを言う菊治。「愛の流刑地」です。
今日から新章です。「梅雨」だそうです。2人はじめじめしてますからぴったりの季節ですね。
5月から6月、7月へ、若葉から新緑へ、梅雨の初夏へと季節が移ろうと共に菊治自身も変わってゆく。自然の成り行きのようだが、それには節目になるものがあった。

その一つは箱根への旅であり、いま一つは妻からの離婚届である。

箱根旅行は菊治の冬香への思いを深め、冬香の菊治への愛着をつのらせた。単に愛し合うだけでなく、心身密着し、互いに首を絞めあうまでになってしまった。

そこまですすんでは、もはや「愛」などという生易しい言葉では表せない。まさに「死を賭けた愛」とでもいえばいいのか。

勝手に言っててくれたまえ。
そんな愛に満足し圧倒的な幸せを感じながらも不安な菊治。自分でも御しがたい何かが起きそうで怖いのだ。妻からの離婚届が旅行から戻る日に届いたというのも、何か運命的である。
ともかく菊治を縛るものは何もなくなった。自由であるということだが、裏を返せば糸の切れた凧のようなもので、不安である。自分の思うとおりに生きられるのだと考えるようにしようと思う菊治だ。
開き直ったわけではないのだが、冬香との密会はガンガン増えている。週に2度、午前中だけだったものが、6月にはいると土日のどちらかにも逢うようになり、週3回ペースで逢っている。

いままで、子供が休む週末はでられなかったのが、「お利口さんに留守番していてね」と頼むと、してくれるようになったとか。
上の子は小学5年生だときいていたが、子供まで巻きこんで密会を重ねる自分たちが、とてつもない罪を犯しているような気がして、息をのむ。

つづく。
子供を家において不倫三昧ですね、冬香さん。「お母さんはね、母親である前に女なの!」ですか。いやあ素敵な生き方ですね。自分らしさは大事ですよね、母親である前にいちウーマンとして生きることの方が大事ですもんねえ。
小学5年生に向かって「お利口さんに留守番していてね」というのはいささか幼子あつかいしすぎのような気がしますが、小学5年生のお子さんをお持ちの方、いかが思われますか。
それはそうと夫は土日休みじゃないのでしょうか。あ、そっか。3月の春休み時期にのんびりと春休みをとってしまったために、今ツケを払わされているのでしょうね。土日なく働けと。製薬業界も大変でしょうから。
菊治もまた、首絞め合う自分たちを特別な存在と思っているようです。「愛なんて簡単な言葉じゃ片付けられないんだよ!命はってんだよ!」という感じでしょうか。命がけの恋、素敵ですねえ…はあ…素敵なカップルに高橋ジョージの娘に捧げる歌でも歌ってやってください。「練炭練炭ああ練炭」…