周囲に配る

自分史を書いた定年後のおじさんのよう。「愛の流刑地」です。
教鞭をとっている大学の10歳年下の講師・森下にも原稿を渡す菊治。彼は新聞で書評も書いているのだ。本になったら取り上げてくれるかもしれない。森下は枚数に驚き、読ませてもらいます、と答えた。
菊治はアンカーマンをしている週刊誌の編集部で書評欄を担当している石原にも読んで欲しいと原稿を渡す。献辞を見た石原は「恋愛小説ですね」とにやりと笑った。
これで残りは1部である。もちろん新生社の中瀬に見てもらう。新生社を訪問すると役員である中瀬の個室に通された。先代社長と2人並んでいる中瀬の写真やゴルフの優勝カップを眺めながら、自分がこの社に残っていてもここまで出世できはしなかっただろうと思う菊治。
原稿を見た中瀬は「これはまた派手な見出しだな」と笑う。献辞にも目を留め、つきあってる女性かと問う。中瀬はさっそく文芸のほうにまわしてくれると約束する。その言葉を心強く感じる菊治だが、中瀬が編集局付の役員でないことにがっかりする。
つづく。
菊治よ…文芸部に回してくれるだけでもありがたいじゃないか…
例の献辞には皆さん「ぷっ」という感じですね。仕方ないっすよ。知り合いのオッサンが自分の不倫に浮かれて書いちゃった感がありありですもんね。作家ゆうても…という感想でしょうか。そらあの献辞見たら恋愛小説以外のなにもんでもないっすよね。それ以外、言い様がない…